OccaのRun遊記 宮城県・気仙沼市編

宮城県 #気仙沼市 #Kesennuma-city

 

訪れた回数が多いだけに、当然走った回数も多い。そんな中で思い出深いランニングの思い出を記します。まず初めて気仙沼で走った時のことです。

一景閣 2012年3月


気仙沼の市場から程近い宿泊したホテル『一景閣』からのランニング。まずは

気仙沼海の市』という観光センターを目指し、そこを経由して気仙沼の内湾をなめるように対岸に向かう。途中、当地で有名な酒蔵『男山』の昔ながらのレトロな建屋の前を通過して観光気分を掻き立てる。目指すは湾の反対側だったけれど、走り始めて時間もそこそこたっていたので、戻る時間を考慮するとそろそろ折り返さないといけないと思い、途中、神社と思しき祠があるところで一息入れてホテルに戻る。かれこれ、もう15年くらい前のことなので詳しく思い出せない、、、

酒蔵 男山 2012年3月 


そして、2011年にはあの東日本大震災が発生。その2か月後に訪問したことがあるけれど、この時はお客さんへの慰問が目的であり、ランニングができるような状態ではない。街中は、滅茶苦茶で殆ど手つかずで、いたるところに、ひっくり返った車や、大小様々な船が取り残され、津波の被害が生々しい状態だ。お客さんに連れられ、特別に港付近の工場跡地や、多数の人が避難した公民館の周りをみさせていただいた。建物は全て流され消失、または破壊され、泥が覆いかぶさっている。そしてところどころに潮だまりとなっていた。

 

震災から1年が経過して、再度訪問することになる。このころになると、津波により大きな被害を受けた街中も、徐々に整理され更地に、特に広く整地された場所は復興が進んだことを実感。けれども、狭い場所や川中には、いまだ津波に飲み込まれた車が、取り残された状態だったりと津波の爪痕がしっかりと残されていて、そんな町内や、市場内を巡るランであった。

気仙沼 2011年11月


早朝ランニングの定番でもある水産市場では各種魚の取引が行われていた。気仙沼市場は産地市場(水揚げされ全国に出荷する)であって、消費市場(全国から魚が集まってくる)である築地と違って、水揚げの有る無しで、場内の活気が大きく違う。これは仕方ない。訪れた時は、若干のマグロ等の水揚げがあったようだが、量が少なく、ぱっとしない。一方こんもりと山盛りにされたフカの方が目を引いた。このフカは、まあ、サメのことだけれど、延縄で水揚げされたもので、小山のように積まれたものは、全てヒレとしっぽが切り取られている。高級食材と珍重されるフカヒレはさっさと切りとられ、残されたサメはスリミの原料にまわされるということで、ぞんざいに扱われているようだ。こんなサメちゃんを見ていると、少々物悲しさを感じるけれど、言い換えれば、これも気仙沼市場ならではの光景の一つと思えば乙なものだ。

気仙沼市場 フカの山


こうして、震災前の気仙沼と震災後の気仙沼の街を重ねると、その大きく変貌した街並みに驚くが、今後更に数十年後にはさらに大きく変貌することになるのだろう。そうした未来に行ってその街並みを見てみたいものだ。

注釈:震災後のランニングは2012年3月頃のこと。その後8年の時を経て2020年3月の訪問では、港付近のエリアは更地から、公園等になったりしていたが、めぼしい建物はいまだ建てられず、途上といったところ。そういえば、大矢運送さんが橋脚建てにかかわった気仙沼湾横断橋の橋架もちょうど終了(数か月後に完成)したころで、巨大なバモクレーンは、橋から少し離れた場所に撤収前として接岸された状態でした